2013年5月5日

影のトスカーナ

久しぶりのトスカーナ


フィレンツェでも


シエナでもない


そんなところに行きたかった


観光にまだ汚染されていない
(恐らく汚染されることはないであろう)


そんな土地


なぜかというと


Crete Senesi(シエナのクレイ) 

と、呼ばれる盆地の地層は

粘土質が多く、


トスカーナ地方では


とても大切な産業である


ブドウ栽培にむいていない



だから、


中世の後もこうして



広大な土地が手つかずに現在に至り



トスカーナの影になっている


それに、


トスカーナの丘陵地帯の独特のカーブが


シエナのクレイを取り囲む丘の形にはなく、



それはとても緩く、


それほど観光客に


魅力がありそうな景色ではないからだ



そんな丘上に建つ一軒の屋敷と
(屋敷というよりは城下町)

広大な土地







15世紀


大富豪だった

現在の女主人ドナテッラの祖先が

所有していた




しかし、



富豪の子息2人が


プロテスタントに改宗したために


国とバチカンから



息子2人は追放され、



追放者を出した恥さらしの一家として


土地建物と財産の


全てを没収され


一族は路頭に迷うことになった



そして、


近年になって


その一族の末裔である

ドナテッラの曽祖父が


ジンの製造で成功し


財を築いて


祖先の土地と屋敷を


ひょんなことから


買い戻すことになる


そんな面白い歴史がある屋敷は


現在、

女主人ドナテッラによって


アグリツーリズモとして


一般に開放されている


そして、


シエナ・クレイとは反対側の

粘土質が含まれていない


広大な所有地で


キアンティなどを、


母方から相続した


モンタルチーノにある広大な土地では



ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを生産している




ワインの世界で

未だ女性の権利がないとして、


彼女のワイン工場やアグリツーリズモでは


女性のワイン専門家しかおらず、


プリメ・ドンネ(女主役達)という


ワイン・シリーズを打ち出したりして


女性のワイン界での成功に


一役かっている





シエナ・クレイを見つめ続ける松ぼっくりの像


















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